臨場
「臨場」
警察の世界で、事件現場に臨み、初動捜査にあたることを言う
事件現場において遺体、わずかな痕跡や証拠をいろいろ調べる仕事。
本作は、数年前にドラマ化もされ、映画化もされましたので覚えている方も多いはず。
本作の主人公 倉石義男 は 凄腕検視官。人は彼を 「終生検視官」 と呼ぶ。
組織においては一匹狼で上司に噛みつく、がさつ。だが、誰もが認める検視力。
そんな倉石の活躍を描いた短編集が本作だ。
「根こそぎ拾え!」
「一番堅いブツを追え!」
熱い男のプロの仕事。
● おすすめ度 ★★★★★
● 熱中度 ★★★★★
● ためになる ★★★★☆
おススメするポイント
●圧倒的におもしろい
いろいろ言う前にこれ! 「おもしろい」
●こっちまで仕事のやる気が出る
仕事に情熱を捧げる男たち。その姿を描く本作は、
読んでいるこちらまで、情熱は飛び火する。
(明日から、仕事がんばろう) という気にさせてくれる。
●ドラマと小説はどっちがおもしろいか
個人的には、小説。ドラマがよくないというわけではない。
好みの問題だと思います。ドラマはどうしても倉石を中心に
描かれますが、小説は少し違う。
私は、ドラマから入ったので本でももっと倉石が前面にバンバン出てくるかと
思いきや、そうではありません。同じ話でも描き方が違うとだけ言っておきます。
後は読んでからのお楽しみ。あなたはドラマか小説、どちらが好きですか?
まとめ
本作は、ドラマ化映画化されました。私も好きなドラマで見ていました。
俳優陣の熱演が光る、素晴らしい作品で密かに続編を希望してます。
そんな個人的にもハマッた「臨場」の原作が本作。正直、好きなドラマですので、
話を覚えているからとスルーしていました。
そんな中、たまたま手に取り、短編の最初の1話を読んだら、止まらなくなりました。
「ドラマで見て話を知っているけど、本で楽しめるのか?」 そんな疑問もありましたが、
結果的には、
「ドラマ化納得のおもしろさ。本の方が最高におもしろい」
ということでした。
1. 横山秀夫さんの警察小説は抜群におもしろい
2. 短編ながらどの話もレベルが高い
3. 「男」「骨太」がいい感じ。「人間臭い」のがたまらない
1. 横山秀夫さんの警察小説は抜群におもしろい
ストーリーもさることながら、人が織りなすドラマがクセになる。
一言で言えば、グイグイ引き込まれるおもしろさ。
話自体、似たような話もないのでどの短編も楽しめます。
2. 短編ながらどの話もレベルが高い
おもしろいに通じるところもあります。
どの短編も手抜き(?)のような印象を受けません。
ストーリー展開、登場人物、オチ・・・
どの話もレベルが高いところで、クオリティを保っています。
特に短編ということもあり、おいしいところをギュッと凝縮した感じ?
と言えば分りやすい。
3. 「男」「骨太」がいい感じ。「人間臭い」のがたまらない
この辺は、「横山秀夫作品」らしさ。
熱い男たちの本気でぶつかる仕事への情熱・・・
「人間臭い」 「男」 こんな小説が読みたくなったら
「横山秀夫作品」に当たることが近道かもしれません。
★ ★ ★ ★
最後に、「徹夜」に注意。
おもしろく、完成度の高い短編が並ぶため、読むのが止まりません。
多くの方に手に取っていただければなぁと思います。

熱い!熱すぎる!
Posted by かぶかぶ at
◆2016年05月24日09:16
│小説